@IDX:25800
@OFF:0xe7
@SPK:
@JPN:　………………。
@ENG:

@IDX:25801
@OFF:0x119
@SPK:
@JPN:　…………。
@ENG:

@IDX:25802
@OFF:0x147
@SPK:
@JPN:　……。
@ENG:

@IDX:25803
@OFF:0x1d4
@SPK:
@JPN:　身体がダルい……。
@ENG:

@IDX:25804
@OFF:0x1f6
@SPK:
@JPN:　一応７時間は寝たはずなのに、全身を鎖で縛られた　ような疲れが残っている。
@ENG:

@IDX:25805
@OFF:0x24e
@SPK:
@JPN:　７時間も寝れば、寝不足のはずはない。
@ENG:

@IDX:25806
@OFF:0x282
@SPK:
@JPN:　とすると、昨夜の仕事の疲れが抜けきっていないの　だろう。
@ENG:

@IDX:25807
@OFF:0x2ea
@SPK:
@JPN:　身体がダルい……。
@ENG:

@IDX:25808
@OFF:0x30c
@SPK:
@JPN:　昨夜は、ほとんど眠れなかった。
@ENG:

@IDX:25809
@OFF:0x33a
@SPK:
@JPN:　あんな光景を見せられて、眠れるわけがない。
@ENG:

@IDX:25810
@OFF:0x374
@SPK:
@JPN:　仕事の疲れも抜けておらず、最悪の状態だ。
@ENG:

@IDX:25811
@OFF:0x3ba
@SPK:
@JPN:　考えてみれば、これまでは仕事と仕事の間が丸一日　空いていたが、今日は半日しか経っていない。
@ENG:

@IDX:25812
@OFF:0x424
@SPK:
@JPN:　仕事のサイクルとか生活のリズムとか、死体洗いに　従事してまだ間もない僕が、どうこう言うつもりは　毛頭ない。
@ENG:

@IDX:25813
@OFF:0x49e
@SPK:
@JPN:　つもりはないが、ただ……きつい。
@ENG:

@IDX:25814
@OFF:0x4de
@SPK:
@JPN:　今の時間は、すでに７時４０分を過ぎている。
@ENG:

@IDX:25815
@OFF:0x518
@SPK:
@JPN:　これ以上のんびりしている時間はない……。
@ENG:

@IDX:25816
@OFF:0x550
@SPK:
@JPN:　押入れに布団を突っ込むと、重い身体に鞭を入れて　着替えを急いだ……。
@ENG:

@IDX:25818
@OFF:0x6a2
@SPK:［悠紀］
@JPN:　……よろしいですか？
@ENG:

@IDX:25821
@OFF:0x6ee
@SPK:[\protag]
@JPN:　どうぞ……。
@ENG:

@IDX:25823
@OFF:0x7d7
@SPK:［悠紀］
@JPN:　失礼します。昨夜はよくお休みになられましたか？
@ENG:

@IDX:25826
@OFF:0x83d
@SPK:[\protag]
@JPN:　ええ、それなりには……。
@ENG:

@IDX:25828
@OFF:0x910
@SPK:［悠紀］
@JPN:　『それなり』ですか？
@ENG:

@IDX:25829
@OFF:0x9b8
@SPK:
@JPN:　あ、そうですね。昨夜は熱帯夜でしたから。寝苦しかったのではありませんか？
@ENG:

@IDX:25832
@OFF:0xa38
@SPK:[\protag]
@JPN:　そうでしたか？　あまり気にならなかったんですけど……。
@ENG:

@IDX:25834
@OFF:0xab3
@SPK:［悠紀］
@JPN:　……もしかして、エアコン、点けっ放しで寝てるんですか？　ダメですよ？　夏風邪の原因になりますし、冷房に頼りすぎると自律神経に変調をきたす恐れもあるんですから。
@ENG:

@IDX:25837
@OFF:0xb89
@SPK:[\protag]
@JPN:　いや、僕、エアコンは苦手なんでほとんど使ってません。暑いのは、それほど苦にならないんです。
@ENG:

@IDX:25839
@OFF:0xc9e
@SPK:［悠紀］
@JPN:　あら、そうなんですか。ではどうして眠れなかったんですか？何か問題でも？
@ENG:

@IDX:25842
@OFF:0xd1c
@SPK:[\protag]
@JPN:　あ……いえ、『それなり』って言ってもちゃんと寝ましたよ。ただ、まだちょっと眠いもんで……。
@ENG:

@IDX:25844
@OFF:0xe31
@SPK:［悠紀］
@JPN:　そうですか。それならよろしいのですが……。寝不足で作業すると、思わぬ失敗の原因になりますから。
@ENG:

@IDX:25847
@OFF:0xed2
@SPK:[\protag]
@JPN:　御堂さんは元気そうですね。昨夜はつらそうだったから、心配しましたよ。
@ENG:

@IDX:25849
@OFF:0xf5b
@SPK:［悠紀］
@JPN:　あ、すみません……昨夜は少し疲れていたみたいで……でも、もう大丈夫です。
@ENG:

@IDX:25852
@OFF:0xfdb
@SPK:[\protag]
@JPN:　そうですか……良かった。御堂さんの方こそ、夏風邪でも引いたんじゃないかって……。
@ENG:

@IDX:25854
@OFF:0x10e6
@SPK:［悠紀］
@JPN:　クスッ、そんなことはありませんよ。それより、ミーティングを始めませんか？
@ENG:

@IDX:25857
@OFF:0x1166
@SPK:[\protag]
@JPN:　！？
@ENG:

@IDX:25858
@OFF:0x119e
@SPK:
@JPN:　……一体どうしてしまったのだろう？
@ENG:

@IDX:25859
@OFF:0x11d0
@SPK:
@JPN:　あの御堂さんが……素っ気ない表情ばかりしか見せ　てくれなかった彼女が、笑った……。
@ENG:

@IDX:25860
@OFF:0x1232
@SPK:
@JPN:　それも、一瞬とは言え声を立てて……。
@ENG:

@IDX:25861
@OFF:0x1278
@SPK:
@JPN:　彼女のこんな表情、ほとんど見たことがない。
@ENG:

@IDX:25862
@OFF:0x12b2
@SPK:
@JPN:　今までの彼女からは考えられない。
@ENG:

@IDX:25863
@OFF:0x12e2
@SPK:
@JPN:　何かあったのだろうか？
@ENG:

@IDX:25865
@OFF:0x13c1
@SPK:［悠紀］
@JPN:　……あの、聞いてますか？
@ENG:

@IDX:25868
@OFF:0x1411
@SPK:[\protag]
@JPN:　あ……い、いえ、なんでもありません。ミーティングでしたよね？　始めましょうか。
@ENG:

@IDX:25870
@OFF:0x14a4
@SPK:［悠紀］
@JPN:　ちゃんと聞いてらしたんですね。何だかボーッとしていたので聞いてないように見えたんですけど……。
@ENG:

@IDX:25873
@OFF:0x153a
@SPK:[\protag]
@JPN:　あ、すみません。ボーッとしていたのは事実です。
@ENG:

@IDX:25875
@OFF:0x15ad
@SPK:［悠紀］
@JPN:　だめですよ。ちゃんと聞いてくれないと。では、始めますね。
@ENG:

@IDX:25877
@OFF:0x162a
@SPK:［悠紀］
@JPN:　本日洗っていただくのは女性です。数は１体で、傷などの報告は受けておりません。何かご質問は？
@ENG:

@IDX:25880
@OFF:0x16bc
@SPK:[\protag]
@JPN:　………………。
@ENG:

@IDX:25882
@OFF:0x1785
@SPK:［悠紀］
@JPN:　あの……。
@ENG:

@IDX:25885
@OFF:0x17c7
@SPK:[\protag]
@JPN:　あ……は、はい。聞いてましたよ。今日は男性、数は１体、傷はなし……でしたよね？
@ENG:

@IDX:25887
@OFF:0x185a
@SPK:［悠紀］
@JPN:　違います。男性じゃなくて女性のご遺体です。もう……聞いてないじゃありませんか。
@ENG:

@IDX:25890
@OFF:0x18e0
@SPK:[\protag]
@JPN:　……すいません。
@ENG:

@IDX:25892
@OFF:0x1935
@SPK:［悠紀］
@JPN:　あなたが聞いてくれていないんじゃ、ミーティングの意味がないんですから……。
@ENG:

@IDX:25895
@OFF:0x19b7
@SPK:[\protag]
@JPN:　……ごめんなさい。今後は気をつけます。
@ENG:

@IDX:25897
@OFF:0x1a98
@SPK:［悠紀］
@JPN:　クスクス、まあ、いいです。次からは気をつけてくださいね。
@ENG:

@IDX:25898
@OFF:0x1b06
@SPK:
@JPN:　まただ。
@ENG:

@IDX:25899
@OFF:0x1b1e
@SPK:
@JPN:　また御堂さんが笑った。
@ENG:

@IDX:25900
@OFF:0x1b44
@SPK:
@JPN:　一体どうしたと言うのだろう。
@ENG:

@IDX:25902
@OFF:0x1c29
@SPK:［悠紀］
@JPN:　なんですか？　人の顔をじっと見たりして。
@ENG:

@IDX:25905
@OFF:0x1c89
@SPK:[\protag]
@JPN:　い、いえ。何でもありません。
@ENG:

@IDX:25907
@OFF:0x1cea
@SPK:［悠紀］
@JPN:　そうですか。では、作業を始めてください。
@ENG:

@IDX:25910
@OFF:0x1d4a
@SPK:[\protag]
@JPN:　分かりました。
@ENG:

@IDX:25912
@OFF:0x1d9d
@SPK:［悠紀］
@JPN:　頑張ってくださいね。
@ENG:

@IDX:25913
@OFF:0x1e0c
@SPK:
@JPN:　一応無難な答えは返したが、実際はほとんど眠れて　いない。
@ENG:

@IDX:25914
@OFF:0x1e54
@SPK:
@JPN:　眠りに入れば霊安室での光景が目の前をちらつき、　結局目覚めてしまう。
@ENG:

@IDX:25915
@OFF:0x1ea8
@SPK:
@JPN:　そんな繰り返しの中、何とか眠れたのは２時間にも　満たないだろう。
@ENG:

@IDX:25917
@OFF:0x1fb1
@SPK:［悠紀］
@JPN:　でも、ほんとに大丈夫なんですか？　目の下にクマが出てますよ？
@ENG:

@IDX:25920
@OFF:0x2025
@SPK:[\protag]
@JPN:　え、本当ですか？
@ENG:

@IDX:25922
@OFF:0x207a
@SPK:［悠紀］
@JPN:　ええ、クッキリと。
@ENG:

@IDX:25925
@OFF:0x20c4
@SPK:[\protag]
@JPN:　クッキリ……。
@ENG:

@IDX:25927
@OFF:0x2117
@SPK:［悠紀］
@JPN:　やっぱり心配です。『それなり』ってどれくらいなんですか？
@ENG:

@IDX:25930
@OFF:0x2187
@SPK:[\protag]
@JPN:　あの……その……２時間……です。
@ENG:

@IDX:25932
@OFF:0x2266
@SPK:［悠紀］
@JPN:　２時間！？　今２時間って言ったんですか？
@ENG:

@IDX:25935
@OFF:0x22c6
@SPK:[\protag]
@JPN:　……ええ、言いました。
@ENG:

@IDX:25937
@OFF:0x2321
@SPK:［悠紀］
@JPN:　本当に２時間しか寝てないんですか？
@ENG:

@IDX:25940
@OFF:0x237b
@SPK:[\protag]
@JPN:　え、ええ……２時間しか寝てません。
@ENG:

@IDX:25942
@OFF:0x2458
@SPK:［悠紀］
@JPN:　どうしてそんなことを……つらくなるのはあなたなんですよ？そんなことでミスしたりしたら、献体してくれた方に顔向けできませんよ？
@ENG:

@IDX:25945
@OFF:0x250c
@SPK:[\protag]
@JPN:　……すいません。
@ENG:

@IDX:25947
@OFF:0x2561
@SPK:［悠紀］
@JPN:　子供じゃないんですから、体調はあなた自身で管理してもらわないと……。
@ENG:

@IDX:25950
@OFF:0x25dd
@SPK:[\protag]
@JPN:　……ごめんなさい。
@ENG:

@IDX:25952
@OFF:0x26aa
@SPK:［悠紀］
@JPN:　クスッ。でも、そうやって謝ってると、なんかホントに子供みたいですね。
@ENG:

@IDX:25955
@OFF:0x2726
@SPK:[\protag]
@JPN:　！？
@ENG:

@IDX:25956
@OFF:0x275e
@SPK:
@JPN:　……一体どうしてしまったのだろう？
@ENG:

@IDX:25957
@OFF:0x2790
@SPK:
@JPN:　あの御堂さんが……素っ気ない表情ばかりしか見せ　てくれなかった彼女が、笑った……。
@ENG:

@IDX:25958
@OFF:0x27f2
@SPK:
@JPN:　それも、一瞬とは言え声を立てて……。
@ENG:

@IDX:25959
@OFF:0x2838
@SPK:
@JPN:　彼女のこんな表情、ほとんど見たことがない。
@ENG:

@IDX:25960
@OFF:0x2872
@SPK:
@JPN:　今までの彼女からは考えられない。
@ENG:

@IDX:25961
@OFF:0x28a2
@SPK:
@JPN:　何かあったのだろうか？
@ENG:

@IDX:25963
@OFF:0x2985
@SPK:［悠紀］
@JPN:　あっ！
@ENG:

@IDX:25964
@OFF:0x2a23
@SPK:
@JPN:　す、すいません。口が過ぎました。
@ENG:

@IDX:25967
@OFF:0x2a7b
@SPK:[\protag]
@JPN:　いや……そんなことはいいんですよ。
@ENG:

@IDX:25969
@OFF:0x2ae2
@SPK:［悠紀］
@JPN:　でも、お気を悪くしたんじゃありませんか？
@ENG:

@IDX:25972
@OFF:0x2b42
@SPK:[\protag]
@JPN:　いいえ、そんな……ただ意外だったから……。
@ENG:

@IDX:25974
@OFF:0x2c27
@SPK:［悠紀］
@JPN:　『意外』？　何がでしょうか？
@ENG:

@IDX:25977
@OFF:0x2c7b
@SPK:[\protag]
@JPN:　あ、いえ、こっちの話です。ところでそろそろミーティング、始めませんか？　あんまり遅くなると鏑木さんに怒られてしまいますから。
@ENG:

@IDX:25979
@OFF:0x2db2
@SPK:［悠紀］
@JPN:　クスッ、そうですね。
@ENG:

@IDX:25980
@OFF:0x2dfc
@SPK:
@JPN:　まただ。
@ENG:

@IDX:25981
@OFF:0x2e14
@SPK:
@JPN:　また御堂さんが笑った。
@ENG:

@IDX:25982
@OFF:0x2e3a
@SPK:
@JPN:　一体どうしたと言うのだろう。
@ENG:

@IDX:25984
@OFF:0x2f1f
@SPK:［悠紀］
@JPN:　なんですか？　人の顔をじっと見たりして。
@ENG:

@IDX:25987
@OFF:0x2f7f
@SPK:[\protag]
@JPN:　い、いえ。何でもありません。
@ENG:

@IDX:25989
@OFF:0x2fe0
@SPK:［悠紀］
@JPN:　そうですか。それでは、今日のご遺体の説明に移らせていただきますね。
@ENG:

@IDX:25990
@OFF:0x3058
@SPK:
@JPN:　とりあえず無難な答えを返したが、本当はほとんど　眠れていない。
@ENG:

@IDX:25991
@OFF:0x30a6
@SPK:
@JPN:　霊安室でのあの光景が気になってしまって……。
@ENG:

@IDX:25992
@OFF:0x30e2
@SPK:
@JPN:　御堂さんは気にならないのだろうか？
@ENG:

@IDX:25994
@OFF:0x31cd
@SPK:［悠紀］
@JPN:　ところで、あの……昨夜のことなんですけど……。
@ENG:

@IDX:25997
@OFF:0x3233
@SPK:[\protag]
@JPN:　え？
@ENG:

@IDX:25999
@OFF:0x327c
@SPK:［悠紀］
@JPN:　約束、覚えてらっしゃいますか？
@ENG:

@IDX:26002
@OFF:0x32d2
@SPK:[\protag]
@JPN:　あの……他言無用ってことですか？
@ENG:

@IDX:26004
@OFF:0x3337
@SPK:［悠紀］
@JPN:　ええ、そうです。
@ENG:

@IDX:26007
@OFF:0x337f
@SPK:[\protag]
@JPN:　大丈夫です。覚えてますよ。
@ENG:

@IDX:26009
@OFF:0x33de
@SPK:［悠紀］
@JPN:　本当ですか？　誰にも言ってませんか？
@ENG:

@IDX:26012
@OFF:0x343a
@SPK:[\protag]
@JPN:　ええ、もちろん。
@ENG:

@IDX:26014
@OFF:0x348f
@SPK:［悠紀］
@JPN:　ホントにお願いしますね。誰が聞いているか分かりませんから独り言でも言わないようにしてくださいね。
@ENG:

@IDX:26017
@OFF:0x3527
@SPK:[\protag]
@JPN:　大丈夫ですよ……心配性なんですね、御堂さんって。
@ENG:

@IDX:26019
@OFF:0x359c
@SPK:［悠紀］
@JPN:　え？
@ENG:

@IDX:26020
@OFF:0x3638
@SPK:
@JPN:　あっ！　す、すいません。しつこく言い過ぎました。
@ENG:

@IDX:26022
@OFF:0x3723
@SPK:［悠紀］
@JPN:　クスッ……おかしいですよね、こんなの。子供の頃、よく言われました。
@ENG:

@IDX:26025
@OFF:0x379d
@SPK:[\protag]
@JPN:　！？
@ENG:

@IDX:26026
@OFF:0x37d5
@SPK:
@JPN:　……一体どうしてしまったのだろう？
@ENG:

@IDX:26027
@OFF:0x3807
@SPK:
@JPN:　あの御堂さんが……素っ気ない表情ばかりしか見せ　てくれなかった彼女が、笑った……。
@ENG:

@IDX:26028
@OFF:0x3869
@SPK:
@JPN:　それも、一瞬とは言え声を立てて……。
@ENG:

@IDX:26029
@OFF:0x38af
@SPK:
@JPN:　彼女のこんな表情、ほとんど見たことがない。
@ENG:

@IDX:26030
@OFF:0x38e9
@SPK:
@JPN:　今までの彼女からは考えられない。
@ENG:

@IDX:26031
@OFF:0x3919
@SPK:
@JPN:　何かあったのだろうか？
@ENG:

@IDX:26033
@OFF:0x39f8
@SPK:［悠紀］
@JPN:　あ……余計なお時間を取らせてしまいました。では、そろそろ今日のご遺体の説明を致しますね。
@ENG:

@IDX:26036
@OFF:0x3a88
@SPK:[\protag]
@JPN:　……はい。
@ENG:

@IDX:26038
@OFF:0x3ad7
@SPK:［悠紀］
@JPN:　本日洗っていただくのは女性です。数は１体で、傷などの報告は受けておりません。
@ENG:

@IDX:26041
@OFF:0x3b5b
@SPK:[\protag]
@JPN:　じゃあ、普通の死体だと思っていいですか？
@ENG:

@IDX:26043
@OFF:0x3bc8
@SPK:［悠紀］
@JPN:　はい……ですが、傷をつけてしまう可能性はあります。充分に注意して作業してください。
@ENG:

@IDX:26046
@OFF:0x3c52
@SPK:[\protag]
@JPN:　はい、分かりました。
@ENG:

@IDX:26048
@OFF:0x3cab
@SPK:［悠紀］
@JPN:　では、よろしくお願いします。
@ENG:

@IDX:26049
@OFF:0x3d17
@SPK:
@JPN:　……御堂さんも……笑うんだ……。
@ENG:

@IDX:26050
@OFF:0x3d47
@SPK:
@JPN:　そんな当たり前なことに、妙に感慨を覚えた。
@ENG:

@IDX:26051
@OFF:0x3d81
@SPK:
@JPN:　……打ち解けてきた証拠だろうか。
@ENG:

@IDX:26052
@OFF:0x3db1
@SPK:
@JPN:　そうなら嬉しいのだけれど……。
@ENG:

@IDX:26053
@OFF:0x3df1
@SPK:
@JPN:　他愛もない、その小さな変化の意味を考えながら、　仕事場へと向かった……。
@ENG:

@IDX:26054
@OFF:0x3f2e
@SPK:
@JPN:　約束はきちんと守られたようだ。
@ENG:

@IDX:26055
@OFF:0x3f5c
@SPK:
@JPN:　天井では蛍光灯が煌々と点り、部屋を光で満たして　いる。
@ENG:

@IDX:26056
@OFF:0x3fa2
@SPK:
@JPN:　昨夜の薄暗さなど、欠片も残っていない。
@ENG:

@IDX:26057
@OFF:0x3ff1
@SPK:
@JPN:　昨夜はたった１本の蛍光灯のおかげで、散々な目に　遭わされた。
@ENG:

@IDX:26058
@OFF:0x403d
@SPK:
@JPN:　部屋の雰囲気も、死体の印象も、蛍光灯の光が１本　足りないだけで、まるで違って見える……。
@ENG:

@IDX:26059
@OFF:0x40a5
@SPK:
@JPN:　始める前に交換してもらわなかったことを、作業の　途中で後悔したくらいだ。
@ENG:

@IDX:26060
@OFF:0x4119
@SPK:
@JPN:　昨夜はたった１本の蛍光灯のおかげで、散々な目に　遭わされた。
@ENG:

@IDX:26061
@OFF:0x4165
@SPK:
@JPN:　不安と苛立ちで気が焦り、とんでもない失敗をして　しまった。
@ENG:

@IDX:26062
@OFF:0x41af
@SPK:
@JPN:　死体の目を潰す……。
@ENG:

@IDX:26063
@OFF:0x41d3
@SPK:
@JPN:　直接見てはいないが、それで良かったと思う。
@ENG:

@IDX:26064
@OFF:0x420d
@SPK:
@JPN:　もし見てしまえば、二度と死体に近づけなくなって　いただろう。
@ENG:

@IDX:26065
@OFF:0x42bf
@SPK:
@JPN:　だが今日は、そんなこともない。
@ENG:

@IDX:26066
@OFF:0x42ed
@SPK:
@JPN:　明るい光の下で、作業は順調に進んでいく。
@ENG:

@IDX:26067
@OFF:0x4325
@SPK:
@JPN:　前髪がべったりと張りついた死体を抱え、床の上に　横たえる。
@ENG:

@IDX:26068
@OFF:0x436f
@SPK:
@JPN:　その時……。
@ENG:

@IDX:26069
@OFF:0x442f
@SPK:
@JPN:　…
@ENG:

@IDX:26070
@OFF:0x443f
@SPK:
@JPN:…
@ENG:

@IDX:26071
@OFF:0x444d
@SPK:
@JPN:…
@ENG:

@IDX:26072
@OFF:0x445b
@SPK:
@JPN:…
@ENG:

@IDX:26073
@OFF:0x4469
@SPK:
@JPN:…
@ENG:

@IDX:26074
@OFF:0x4477
@SPK:
@JPN:…
@ENG:

@IDX:26075
@OFF:0x448b
@SPK:
@JPN:死体と、目が合った……？
@ENG:

@IDX:26076
@OFF:0x44b9
@SPK:
@JPN:　光を失った双眸の虚ろな視線が、偶然、僕のそれと　重なっていた。
@ENG:

@IDX:26077
@OFF:0x451f
@SPK:
@JPN:　蛍光灯の明かりを映してヌラヌラと光る白目、瞼の　縁から僅かに覗く黒目……。
@ENG:

@IDX:26078
@OFF:0x4579
@SPK:
@JPN:　僅かに黒目が見えるだけに、逆に恨めしげな表情が　強まって見える。
@ENG:

@IDX:26079
@OFF:0x45d9
@SPK:
@JPN:　視線を外そうとは思うが、自然と魅入られたように　目がそちらに吸い寄せられてしまう。
@ENG:

@IDX:26080
@OFF:0x463b
@SPK:
@JPN:　宙を見据えたまま、微動だにしない視線……。
@ENG:

@IDX:26081
@OFF:0x4675
@SPK:
@JPN:　その視線が周囲に拡散し、まるで蜘蛛の巣のように　絡みついてくる。
@ENG:

@IDX:26082
@OFF:0x472f
@SPK:
@JPN:　ようやく視線を外した時には、死体の目が頭の中に　こびりつき、消したくても消せなくなっていた。
@ENG:

@IDX:26083
@OFF:0x479b
@SPK:
@JPN:　目を逸らしても、死体が僕を見ているような気配を　感じてしまう。
@ENG:

@IDX:26084
@OFF:0x47e9
@SPK:
@JPN:　心臓は早鐘のような鼓動を繰り返し、身体は酸素を　求めて全身で呼吸を繰り返す。
@ENG:

@IDX:26085
@OFF:0x485b
@SPK:
@JPN:　どれくらいの時間、そうしていただろうか？
@ENG:

@IDX:26086
@OFF:0x4893
@SPK:
@JPN:　なかなか落ち着かなかった鼓動が、少しずつ静かに　なり始めた。
@ENG:

@IDX:26087
@OFF:0x48df
@SPK:
@JPN:　視線を追い出そうと努力してる内に、徐々に呼吸も　ゆっくりになっていく。
@ENG:

@IDX:26088
@OFF:0x4945
@SPK:
@JPN:　だが、もう一度見ても平気かと聞かれれば、それは　無理ではないだろうか？
@ENG:

@IDX:26089
@OFF:0x499b
@SPK:
@JPN:　思い出すだけで、身体の奥底から震えが湧き上って　くる。
@ENG:

@IDX:26090
@OFF:0x49f5
@SPK:
@JPN:先に目を閉じさせる
@ENG:

@IDX:26091
@OFF:0x4a0e
@SPK:
@JPN:そのまま続ける
@ENG:

@IDX:26092
@OFF:0x4a68
@SPK:
@JPN:　……先に目を閉じさせてしまおう。
@ENG:

@IDX:26093
@OFF:0x4a98
@SPK:
@JPN:　それで普通に仕事ができるなら、やってみる価値は　あるはずだ。
@ENG:

@IDX:26094
@OFF:0x4ae4
@SPK:
@JPN:　死者の目を閉じるなどという経験をしたことはない　から、うまくやれる自信はない。
@ENG:

@IDX:26095
@OFF:0x4b42
@SPK:
@JPN:　しかし、そうするのが一番ではないかと思える。
@ENG:

@IDX:26096
@OFF:0x4b8e
@SPK:
@JPN:　大体いくら顔を見ないようにしても、顔を洗う時は　どうしても見なくてはいけない。
@ENG:

@IDX:26097
@OFF:0x4c16
@SPK:
@JPN:　昨夜の鏑木さんの言葉が、脳裏をよぎる。
@ENG:

@IDX:26099
@OFF:0x4c7e
@SPK:　　　　　『
@JPN:メ
@ENG:

@IDX:26100
@OFF:0x4c8c
@SPK:
@JPN:ガ
@ENG:

@IDX:26101
@OFF:0x4c9a
@SPK:
@JPN:ツ
@ENG:

@IDX:26102
@OFF:0x4ca8
@SPK:
@JPN:ブ
@ENG:

@IDX:26103
@OFF:0x4cb6
@SPK:
@JPN:レ
@ENG:

@IDX:26104
@OFF:0x4cc4
@SPK:
@JPN:テ
@ENG:

@IDX:26105
@OFF:0x4cd2
@SPK:
@JPN:ル
@ENG:

@IDX:26106
@OFF:0x4ce0
@SPK:
@JPN:ジ
@ENG:

@IDX:26107
@OFF:0x4cee
@SPK:
@JPN:ャ
@ENG:

@IDX:26108
@OFF:0x4cfc
@SPK:
@JPN:ナ
@ENG:

@IDX:26109
@OFF:0x4d0a
@SPK:
@JPN:イ
@ENG:

@IDX:26110
@OFF:0x4d18
@SPK:
@JPN:カ
@ENG:

@IDX:26111
@OFF:0x4d26
@SPK:
@JPN:』
@ENG:

@IDX:26112
@OFF:0x4d52
@SPK:
@JPN:　瞼が閉じていてもあんなことになってしまった。
@ENG:

@IDX:26113
@OFF:0x4d8e
@SPK:
@JPN:　もし見ないで作業を進めたら、昨夜の二の舞になる　かもしれない。
@ENG:

@IDX:26114
@OFF:0x4ddc
@SPK:
@JPN:　……いや、あれだけ大きく見開いていれば、確実に　そうなる。
@ENG:

@IDX:26115
@OFF:0x4e36
@SPK:
@JPN:　そんなこと、絶対にしたくない。
@ENG:

@IDX:26116
@OFF:0x4e64
@SPK:
@JPN:　ならば先に目を閉じさせるしかないだろう。
@ENG:

@IDX:26117
@OFF:0x4e9c
@SPK:
@JPN:　深呼吸をして気を落ち着けながら、恐る恐る死体に　近づいていく。
@ENG:

@IDX:26118
@OFF:0x4f6a
@SPK:
@JPN:　……死体の双眸は、先程と変わらずその濁った視線　で虚空を見据えている。
@ENG:

@IDX:26119
@OFF:0x4fc0
@SPK:
@JPN:　僕がしゃがんだからといって、目で追うようなこと　はない。
@ENG:

@IDX:26120
@OFF:0x5008
@SPK:
@JPN:　だが、蛙の皮膚のようにヌラヌラと光る目が、気に　ならなくなったわけではない。
@ENG:

@IDX:26121
@OFF:0x5064
@SPK:
@JPN:　……あくまでも『見られていない』ことが分かった　だけだ。
@ENG:

@IDX:26122
@OFF:0x50bc
@SPK:
@JPN:　ほとんど白目しか見えていない目が、死体の表情を　１８０度変えている。
@ENG:

@IDX:26123
@OFF:0x5110
@SPK:
@JPN:　顔の作りは、普段の死体と比べても酷くはない。
@ENG:

@IDX:26124
@OFF:0x514c
@SPK:
@JPN:　むしろ、生きてさえいれば、美人の部類だろう。
@ENG:

@IDX:26125
@OFF:0x5198
@SPK:
@JPN:　それでも裏返った眼球のせいで、恨めしそうな顔に　見えてしまう。
@ENG:

@IDX:26126
@OFF:0x51e6
@SPK:
@JPN:　……早く瞼を降ろしてしまおう。
@ENG:

@IDX:26127
@OFF:0x5214
@SPK:
@JPN:　死体の目に片手を被せて、ドラマや映画で見たのを　真似るように動かしていく。
@ENG:

@IDX:26128
@OFF:0x527e
@SPK:
@JPN:　だが、どうしてもうまくいかない。
@ENG:

@IDX:26129
@OFF:0x52ae
@SPK:
@JPN:　初めてだからかもしれないが、いくらやっても瞼は　閉じてくれない。
@ENG:

@IDX:26130
@OFF:0x52fe
@SPK:
@JPN:　焦れば焦るほど、掌は瞼の上を滑る。
@ENG:

@IDX:26131
@OFF:0x5340
@SPK:
@JPN:　そうして、何度死体の顔を撫でたか……徐々に力の　加減が分かり始めてきた。
@ENG:

@IDX:26132
@OFF:0x5398
@SPK:
@JPN:　数ミリにも満たないが、確実に瞼が降りていくのが　分かる。
@ENG:

@IDX:26133
@OFF:0x53e0
@SPK:
@JPN:　そして……。
@ENG:

@IDX:26134
@OFF:0x5482
@SPK:
@JPN:　…………終わった……。
@ENG:

@IDX:26135
@OFF:0x54a8
@SPK:
@JPN:　死体の双眸は、完全に閉ざされている。
@ENG:

@IDX:26136
@OFF:0x54dc
@SPK:
@JPN:　これで、死体の目を見なくて済む。
@ENG:

@IDX:26137
@OFF:0x550c
@SPK:
@JPN:　荒い息の下で、安堵のため息が漏れる。
@ENG:

@IDX:26138
@OFF:0x554e
@SPK:
@JPN:　あとは、洗い終えるだけ……。
@ENG:

@IDX:26139
@OFF:0x557a
@SPK:
@JPN:　こうして喜んでいるが、まだ死体洗いは始まっても　いない。
@ENG:

@IDX:26140
@OFF:0x55c2
@SPK:
@JPN:　だが、ここからは普段の作業と変わりない。
@ENG:

@IDX:26141
@OFF:0x55fa
@SPK:
@JPN:　安堵感を感じながら少しだけ休憩を挟むと、作業を　再開した……。
@ENG:

@IDX:26142
@OFF:0x570f
@SPK:
@JPN:　鏑木さんに内線で作業の終了を報告する。
@ENG:

@IDX:26143
@OFF:0x5745
@SPK:
@JPN:　やっと終わった。
@ENG:

@IDX:26144
@OFF:0x5765
@SPK:
@JPN:　横たわる死体を見下ろしながら、再び安堵のため息　が漏れる。
@ENG:

@IDX:26145
@OFF:0x57bd
@SPK:
@JPN:　瞼を閉じた後は、ほとんど普段通りの作業と変わり　はなかった。
@ENG:

@IDX:26146
@OFF:0x5809
@SPK:
@JPN:　それでも、目が開いていた死体というイメージが頭　に残っていて、時折それのおかげで動きがぎこちな　くなったりした。
@ENG:

@IDX:26147
@OFF:0x5889
@SPK:
@JPN:　瞼を閉じた安堵感があったからこそ、無事に終える　ことができたのだろう。
@ENG:

@IDX:26149
@OFF:0x59a0
@SPK:［鏑木］
@JPN:　……どうかしたのか？　今日はまた、ずいぶん時間がかかったじゃないか。
@ENG:

@IDX:26152
@OFF:0x5a1c
@SPK:[\protag]
@JPN:　ええ、ちょっとありまして……。
@ENG:

@IDX:26154
@OFF:0x5a7f
@SPK:［鏑木］
@JPN:　ちょっと？　なんだ？　やけに曖昧な言い方だな……まさか、失敗したんじゃないだろうな？
@ENG:

@IDX:26157
@OFF:0x5b0b
@SPK:[\protag]
@JPN:　いえ、そんなことは……。
@ENG:

@IDX:26159
@OFF:0x5b68
@SPK:［鏑木］
@JPN:　じゃあ、はっきり言えばいいだろう？　こっちも報告の義務があるんだ。何かあったならちゃんと言ってくれ。
@ENG:

@IDX:26162
@OFF:0x5c04
@SPK:[\protag]
@JPN:　あの……死体の目が開いてたんです。
@ENG:

@IDX:26164
@OFF:0x5c6b
@SPK:［鏑木］
@JPN:　目が？　なんだ、そんなの大したことじゃないだろ？　それと遅くなったことに何の関係があるんだ？
@ENG:

@IDX:26167
@OFF:0x5cff
@SPK:[\protag]
@JPN:　それで、どうしたらいいのか迷ってしまって……ミーティングでもそんなこと言われませんでしたし……。
@ENG:

@IDX:26169
@OFF:0x5da4
@SPK:［鏑木］
@JPN:　そりゃそうだ。それくらい、事前に連絡しなくても、問題あることじゃないからな。で、どうしたんだ？
@ENG:

@IDX:26172
@OFF:0x5e3a
@SPK:[\protag]
@JPN:　考えた挙げ句、目を閉じさせたんです。でも、なかなかうまくいかなくて……。
@ENG:

@IDX:26174
@OFF:0x5ec7
@SPK:［鏑木］
@JPN:　……で、その作業に時間をとられたと？
@ENG:

@IDX:26177
@OFF:0x5f23
@SPK:[\protag]
@JPN:　はい。他に思いつきませんでしたので……。
@ENG:

@IDX:26179
@OFF:0x5f90
@SPK:［鏑木］
@JPN:　どうすればいいのか分からないなら、俺に聞けばいいだろう？そこの内線ですぐなんだから。
@ENG:

@IDX:26182
@OFF:0x601c
@SPK:[\protag]
@JPN:　は、はあ。そうでしたね……。
@ENG:

@IDX:26184
@OFF:0x6088
@SPK:［鏑木］
@JPN:　ああ、そう言えば昨夜……。
@ENG:

@IDX:26187
@OFF:0x60da
@SPK:[\protag]
@JPN:　……ええ。
@ENG:

@IDX:26188
@OFF:0x611a
@SPK:
@JPN:　おそらく彼も気づいたのだろう。
@ENG:

@IDX:26189
@OFF:0x6148
@SPK:
@JPN:　僕が目を閉じなければならなかった理由……。
@ENG:

@IDX:26190
@OFF:0x6182
@SPK:
@JPN:　それが、昨夜の失敗にあることに。
@ENG:

@IDX:26192
@OFF:0x61fb
@SPK:［鏑木］
@JPN:　まあ、過ぎたことを言っても仕方がない。お前ももう少し冷静に作業できるようになるといいんだがな。
@ENG:

@IDX:26195
@OFF:0x6291
@SPK:[\protag]
@JPN:　……頑張ります。
@ENG:

@IDX:26197
@OFF:0x62e6
@SPK:［鏑木］
@JPN:　まあいい。今日はもう帰っていいぞ。
@ENG:

@IDX:26198
@OFF:0x6353
@SPK:
@JPN:　死体が目を開けている姿を見たから、そのことが気　になって作業に移れない。
@ENG:

@IDX:26199
@OFF:0x63ab
@SPK:
@JPN:　ならば、見なければどうだ？
@ENG:

@IDX:26200
@OFF:0x63e7
@SPK:
@JPN:　わざわざ顔を注視しながら洗う必要などない。
@ENG:

@IDX:26201
@OFF:0x6421
@SPK:
@JPN:　洗う時に見るのは、常にブラシの先。
@ENG:

@IDX:26202
@OFF:0x6453
@SPK:
@JPN:　顔ばかり見ていては、逆に手元がおろそかになる。　
@ENG:

@IDX:26203
@OFF:0x64a3
@SPK:
@JPN:　顔を洗う時は……。
@ENG:

@IDX:26204
@OFF:0x64c5
@SPK:
@JPN:　その時だけ、どうしても見る必要がある。
@ENG:

@IDX:26205
@OFF:0x64fb
@SPK:
@JPN:　……その時はその時だ。
@ENG:

@IDX:26206
@OFF:0x6521
@SPK:
@JPN:　どうしても気になるのなら、その時ついでに閉じて　しまえばいい。
@ENG:

@IDX:26207
@OFF:0x6587
@SPK:
@JPN:　だが洗い始めると、自分の考えがいかに甘かったか　思い知ることになった。
@ENG:

@IDX:26208
@OFF:0x65dd
@SPK:
@JPN:　気になる……。
@ENG:

@IDX:26209
@OFF:0x65fb
@SPK:
@JPN:　見ないようにしていても、死体の視線が気になって　仕方がない。
@ENG:

@IDX:26210
@OFF:0x6657
@SPK:
@JPN:　もしかして、こちらを見ているのではないか？
@ENG:

@IDX:26211
@OFF:0x6691
@SPK:
@JPN:　自分が洗われていく様子を、じっと見ているのでは　ないか？
@ENG:

@IDX:26212
@OFF:0x66d9
@SPK:
@JPN:　虚ろな視線で、動きを追っているのではないか？
@ENG:

@IDX:26213
@OFF:0x6715
@SPK:
@JPN:　……もしかして……。
@ENG:

@IDX:26214
@OFF:0x6747
@SPK:
@JPN:　もちろんそれが妄想に過ぎないことは、充分に理解　している。
@ENG:

@IDX:26215
@OFF:0x6791
@SPK:
@JPN:　だが頭で理解しても、心は納得してくれない。
@ENG:

@IDX:26216
@OFF:0x67cb
@SPK:
@JPN:　……死体が何かを見るなんてことはあり得ない。
@ENG:

@IDX:26217
@OFF:0x6807
@SPK:
@JPN:　いくら自分に言い聞かせても、妄想が勝手に膨らみ　身体を萎縮させる。
@ENG:

@IDX:26218
@OFF:0x6869
@SPK:
@JPN:　いっそのこと、確認してしまおうか？
@ENG:

@IDX:26219
@OFF:0x689b
@SPK:
@JPN:　死体が自分を見ていないと分かれば、そんなに気に　ならないのではないか？
@ENG:

@IDX:26220
@OFF:0x68f1
@SPK:
@JPN:　そんなバカな考えが脳裏をよぎり、そのたびに死体　の顔を思い出してしまう。
@ENG:

@IDX:26221
@OFF:0x695d
@SPK:
@JPN:　それでも、胴体は終わらせた。
@ENG:

@IDX:26222
@OFF:0x6989
@SPK:
@JPN:　視線を振り切るように作業に集中し、細かい部分も　残していない。
@ENG:

@IDX:26223
@OFF:0x69d7
@SPK:
@JPN:　今までで一番きれいに洗えた自信がある。
@ENG:

@IDX:26224
@OFF:0x6a1d
@SPK:
@JPN:　順番を守るなら、次は顔……。
@ENG:

@IDX:26225
@OFF:0x6a49
@SPK:
@JPN:　どんなに目を背けたくとも、死体の顔を見なければ　いけない。
@ENG:

@IDX:26226
@OFF:0x6a93
@SPK:
@JPN:　……ここを洗う時だけは。
@ENG:

@IDX:26227
@OFF:0x6acb
@SPK:
@JPN:　見なければいけない……。
@ENG:

@IDX:26228
@OFF:0x6af3
@SPK:
@JPN:　そう思うだけで、全身が強張るのが分かる。
@ENG:

@IDX:26229
@OFF:0x6b2b
@SPK:
@JPN:　嫌悪、不安、緊張、怖れ……。
@ENG:

@IDX:26230
@OFF:0x6b57
@SPK:
@JPN:　諸々の生理的反応が身体を縛り、感情が見ることを　拒絶する。
@ENG:

@IDX:26231
@OFF:0x6bb1
@SPK:
@JPN:　見たくない……。
@ENG:

@IDX:26232
@OFF:0x6bd1
@SPK:
@JPN:　だが、見ないわけにはいかない……。
@ENG:

@IDX:26233
@OFF:0x6c03
@SPK:
@JPN:　ただでさえ、顔などは傷つきやすい部位だ。
@ENG:

@IDX:26234
@OFF:0x6c3b
@SPK:
@JPN:　その上、今は無防備な眼球が剥き出しになっている　のだから……。
@ENG:

@IDX:26235
@OFF:0x6d18
@SPK:
@JPN:　……失敗したくない。
@ENG:

@IDX:26236
@OFF:0x6d3c
@SPK:
@JPN:　そんな思いに後押しされ、顔に視線を落とす。
@ENG:

@IDX:26237
@OFF:0x6d76
@SPK:
@JPN:　大きく見開いた眼、裏返った眼球……。
@ENG:

@IDX:26238
@OFF:0x6daa
@SPK:
@JPN:　心臓を鷲掴みにされたような衝撃が身体を貫く。
@ENG:

@IDX:26239
@OFF:0x6df6
@SPK:
@JPN:　だがそれでも、失敗するよりはマシだ。
@ENG:

@IDX:26240
@OFF:0x6e2a
@SPK:
@JPN:　もし失敗すれば、一生忘れられないほど嫌な思いを　することになる……。
@ENG:

@IDX:26241
@OFF:0x6e89
@SPK:
@JPN:　関節が外れる鈍い音……不自然に伸びた腕……。
@ENG:

@IDX:26242
@OFF:0x6ec5
@SPK:
@JPN:　……あんな思いをするのは、一度で充分だ。
@ENG:

@IDX:26243
@OFF:0x6f0d
@SPK:
@JPN:　開いてしまった傷、外してしまった肩……。
@ENG:

@IDX:26244
@OFF:0x6f45
@SPK:
@JPN:　あんな思い、もう二度としたくない。
@ENG:

@IDX:26245
@OFF:0x6f89
@SPK:
@JPN:　失敗の記憶が身体を動かし、作業を進める原動力と　なる。
@ENG:

@IDX:26246
@OFF:0x6fcf
@SPK:
@JPN:　震える手を伸ばし、顔を洗い始める。
@ENG:

@IDX:26247
@OFF:0x702f
@SPK:
@JPN:　昨夜の鏑木さんの言葉が、脳裏をよぎる。
@ENG:

@IDX:26249
@OFF:0x7097
@SPK:　　　　　『
@JPN:メ
@ENG:

@IDX:26250
@OFF:0x70a5
@SPK:
@JPN:ガ
@ENG:

@IDX:26251
@OFF:0x70b3
@SPK:
@JPN:ツ
@ENG:

@IDX:26252
@OFF:0x70c1
@SPK:
@JPN:ブ
@ENG:

@IDX:26253
@OFF:0x70cf
@SPK:
@JPN:レ
@ENG:

@IDX:26254
@OFF:0x70dd
@SPK:
@JPN:テ
@ENG:

@IDX:26255
@OFF:0x70eb
@SPK:
@JPN:ル
@ENG:

@IDX:26256
@OFF:0x70f9
@SPK:
@JPN:ジ
@ENG:

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@OFF:0x7107
@SPK:
@JPN:ャ
@ENG:

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@OFF:0x7115
@SPK:
@JPN:ナ
@ENG:

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@SPK:
@JPN:イ
@ENG:

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@SPK:
@JPN:カ
@ENG:

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@OFF:0x713f
@SPK:
@JPN:』
@ENG:

@IDX:26262
@OFF:0x716b
@SPK:
@JPN:　瞼が閉じていてもあんなことになってしまった。
@ENG:

@IDX:26263
@OFF:0x71a7
@SPK:
@JPN:　もし見ないで作業を進めたら、昨夜の二の舞になる　かもしれない。
@ENG:

@IDX:26264
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@SPK:
@JPN:　……いや、あれだけ大きく見開いていれば、確実に　そうなる。
@ENG:

@IDX:26265
@OFF:0x72c5
@SPK:
@JPN:　昨夜の記憶に後押しされ、顔に視線を落とす。
@ENG:

@IDX:26266
@OFF:0x72ff
@SPK:
@JPN:　大きく見開いた眼、裏返った眼球……。
@ENG:

@IDX:26267
@OFF:0x7333
@SPK:
@JPN:　心臓を鷲掴みにされたような衝撃が身体を貫く。
@ENG:

@IDX:26268
@OFF:0x737f
@SPK:
@JPN:　目を見ただけの衝撃ではない……。
@ENG:

@IDX:26269
@OFF:0x73af
@SPK:
@JPN:　潰れた目というのは、どんな風になるのだろう？
@ENG:

@IDX:26270
@OFF:0x73eb
@SPK:
@JPN:　昨夜、鏑木さんの目に映ったのはどんな映像だった　のだろうか？
@ENG:

@IDX:26271
@OFF:0x74bf
@SPK:
@JPN:　一瞬の疑問が、僕の恐怖を映像化してしまった。
@ENG:

@IDX:26272
@OFF:0x74fb
@SPK:
@JPN:　目の前の死体の形相が変わる。
@ENG:

@IDX:26273
@OFF:0x7527
@SPK:
@JPN:　見開かれていた目が醜く変形している。
@ENG:

@IDX:26274
@OFF:0x755b
@SPK:
@JPN:　……潰れている……目が……。
@ENG:

@IDX:26275
@OFF:0x75f9
@SPK:
@JPN:　死体の顔から目を逸らして、頭の中からイメージを　無理やり追い出す。
@ENG:

@IDX:26276
@OFF:0x764b
@SPK:
@JPN:　ドキドキと早鐘のように打っていた心臓が、徐々に　落ち着きを取り戻し始める。
@ENG:

@IDX:26277
@OFF:0x76b5
@SPK:
@JPN:　僕はあんなもの見ていない……。
@ENG:

@IDX:26278
@OFF:0x76e3
@SPK:
@JPN:　今のは単なる想像だ……。
@ENG:

@IDX:26279
@OFF:0x770b
@SPK:
@JPN:　必死で自分に言い聞かせる。
@ENG:

@IDX:26280
@OFF:0x7735
@SPK:
@JPN:　この死体の目は潰れていない。
@ENG:

@IDX:26281
@OFF:0x7761
@SPK:
@JPN:　大丈夫だ。大丈夫だ。大丈夫だ……。
@ENG:

@IDX:26282
@OFF:0x781b
@SPK:
@JPN:　意を決して死体に目を戻す。
@ENG:

@IDX:26283
@OFF:0x7845
@SPK:
@JPN:　……目は潰れていない。
@ENG:

@IDX:26284
@OFF:0x786b
@SPK:
@JPN:　僕を見ているだけだ……。
@ENG:

@IDX:26285
@OFF:0x7893
@SPK:
@JPN:　そう、僕を見ているだけ……。
@ENG:

@IDX:26286
@OFF:0x78d1
@SPK:
@JPN:　タワシを持った手が、小刻みに震える。
@ENG:

@IDX:26287
@OFF:0x7905
@SPK:
@JPN:　これ以上、見ていたくない……。
@ENG:

@IDX:26288
@OFF:0x7933
@SPK:
@JPN:　その思いが身体を動かし、顔を洗う原動力となる。　
@ENG:

@IDX:26289
@OFF:0x798b
@SPK:
@JPN:　失敗しないように、慎重に……。
@ENG:

@IDX:26290
@OFF:0x79b9
@SPK:
@JPN:　額を、頬を、唇を……。
@ENG:

@IDX:26291
@OFF:0x79df
@SPK:
@JPN:　何よりも失敗することを恐れながら、これ以上ない　ほど丁寧に洗っていく。
@ENG:

@IDX:26292
@OFF:0x7a45
@SPK:
@JPN:　……ほんの数分。
@ENG:

@IDX:26293
@OFF:0x7a65
@SPK:
@JPN:　それだけの時間が、何時間にも感じられる。
@ENG:

@IDX:26294
@OFF:0x7a9d
@SPK:
@JPN:　それも、もうすぐ終わる……。
@ENG:

@IDX:26295
@OFF:0x7acd
@SPK:
@JPN:　……いや、たった今終わった。
@ENG:

@IDX:26296
@OFF:0x7b6d
@SPK:
@JPN:　死体を裏返し、ようやく一息つく。
@ENG:

@IDX:26297
@OFF:0x7b9d
@SPK:
@JPN:　手と股間は、この状態でも洗えるはずだ。
@ENG:

@IDX:26298
@OFF:0x7bde
@SPK:
@JPN:　多少洗いにくかろうが、慎重にやれば問題ない。
@ENG:

@IDX:26299
@OFF:0x7c2a
@SPK:
@JPN:　すでに一度、経験している。
@ENG:

@IDX:26300
@OFF:0x7c64
@SPK:
@JPN:　これでもう、僕を見ることはできない。
@ENG:

@IDX:26301
@OFF:0x7c98
@SPK:
@JPN:　気になった時は、確認することもできる。
@ENG:

@IDX:26302
@OFF:0x7cce
@SPK:
@JPN:　これなら目が開いていようが、それほど関係はない　はずだ。
@ENG:

@IDX:26303
@OFF:0x7d26
@SPK:
@JPN:　……残り半分。
@ENG:

@IDX:26304
@OFF:0x7d44
@SPK:
@JPN:　まだ終わってもいないのに、安堵が全身を包む。
@ENG:

@IDX:26305
@OFF:0x7d80
@SPK:
@JPN:　もう一度死体の頭部に視線を向けると、作業を再開　した……。
@ENG:

@IDX:26307
@OFF:0x7f22
@SPK:［鏑木］
@JPN:　随分遅かったな……今日は何もなかったはずだが？
@ENG:

@IDX:26310
@OFF:0x7f88
@SPK:[\protag]
@JPN:　何もなかった？　とんでもない……最悪でしたよ。
@ENG:

@IDX:26312
@OFF:0x7ffb
@SPK:［鏑木］
@JPN:　本当か？　何があったんだ？
@ENG:

@IDX:26315
@OFF:0x804d
@SPK:[\protag]
@JPN:　……死体の目が開いたままだったんです。
@ENG:

@IDX:26317
@OFF:0x80b8
@SPK:［鏑木］
@JPN:　目が開いてた？　なるほど、そういうことか……。
@ENG:

@IDX:26320
@OFF:0x811e
@SPK:[\protag]
@JPN:　感心してる場合じゃないですよ。どうして事前に教えてくれなかったんですか？
@ENG:

@IDX:26322
@OFF:0x81ab
@SPK:［鏑木］
@JPN:　それはもちろん、大したことじゃないからだ。
@ENG:

@IDX:26325
@OFF:0x820d
@SPK:[\protag]
@JPN:　……どういうことですか？
@ENG:

@IDX:26327
@OFF:0x826a
@SPK:［鏑木］
@JPN:　俺なら目が開いてたとしても、かかる時間は変わらない。他の職員でもそうだろうな。
@ENG:

@IDX:26330
@OFF:0x82f0
@SPK:[\protag]
@JPN:　それはあなたたちが……。
@ENG:

@IDX:26332
@OFF:0x834d
@SPK:［鏑木］
@JPN:　そう。慣れてるからだ。だがな、お前もそろそろ慣れ始めてもいい頃なんじゃないか？　もう５体も洗ってるんだぞ？
@ENG:

@IDX:26335
@OFF:0x83ef
@SPK:[\protag]
@JPN:　それは……そうかもしれませんが……。
@ENG:

@IDX:26337
@OFF:0x8458
@SPK:［鏑木］
@JPN:　もっとも……目が開いていたってのはこっちの手落ちだ。それは謝ろう。詫びの印じゃないが、今日はもう帰っていいぞ。
@ENG:

@IDX:26340
@OFF:0x8508
@SPK:[\protag]
@JPN:　いいんですか？　でも、確認がまだ……。
@ENG:

@IDX:26342
@OFF:0x8573
@SPK:［鏑木］
@JPN:　構わんよ。これだけ時間をかけたんだ……おそらく問題なんかないだろう。
@ENG:

@IDX:26345
@OFF:0x85ef
@SPK:[\protag]
@JPN:　……ありがとうございます。じゃあ、僕はこれで……。
@ENG:

@IDX:26347
@OFF:0x8666
@SPK:［鏑木］
@JPN:　ああ。もし何かあったら、更衣室の方に行くよ。
@ENG:

@IDX:26348
@OFF:0x8775
@SPK:
@JPN:　ため息をつきながら廊下に出る。
@ENG:

@IDX:26349
@OFF:0x87a3
@SPK:
@JPN:　……死体の目が開いていた。
@ENG:

@IDX:26350
@OFF:0x87cd
@SPK:
@JPN:　そう告げても鏑木さんは表情一つ変えなかった。
@ENG:

@IDX:26351
@OFF:0x8809
@SPK:
@JPN:　分かっていたことだが、改めて差を見せつけられた　ような気がする。
@ENG:

@IDX:26352
@OFF:0x8869
@SPK:
@JPN:　マスクと手袋を外し、壁に寄りかかる。
@ENG:

@IDX:26353
@OFF:0x889d
@SPK:
@JPN:　確認作業の立会いを免除してもらったから、いつも　よりは仕事から解放されるのが早かった。
@ENG:

@IDX:26354
@OFF:0x8903
@SPK:
@JPN:　そのためか、御堂さんはまだ来ていない。
@ENG:

@IDX:26355
@OFF:0x8959
@SPK:
@JPN:　……いや、来たようだ。
@ENG:

@IDX:26356
@OFF:0x897f
@SPK:
@JPN:　小走りの足音が、こちらへと近づいてくる。
@ENG:

@IDX:26358
@OFF:0x8a74
@SPK:［悠紀］
@JPN:　はぁ、はぁ、はぁ……お待たせしました……。
@ENG:

@IDX:26361
@OFF:0x8ad6
@SPK:[\protag]
@JPN:　いえ、僕も出てきたばかりです。
@ENG:

@IDX:26363
@OFF:0x8b39
@SPK:［悠紀］
@JPN:　そうなんですか？　……良かった。急いで来たのに、もう外にいらっしゃるから……確認、もう終わったんですか？
@ENG:

@IDX:26366
@OFF:0x8bd9
@SPK:[\protag]
@JPN:　ええ、まあ……。
@ENG:

@IDX:26368
@OFF:0x8ca4
@SPK:［悠紀］
@JPN:　……どうされたんですか？　浮かない顔をして……。
@ENG:

@IDX:26371
@OFF:0x8d0c
@SPK:[\protag]
@JPN:　ああ、心配しないでください。失敗はしてませんから。
@ENG:

@IDX:26373
@OFF:0x8df9
@SPK:［悠紀］
@JPN:　そうですか。ならよろしいのですが……。
@ENG:

@IDX:26376
@OFF:0x8e57
@SPK:[\protag]
@JPN:　疑われるのも無理はありませんが、本当ですよ。
@ENG:

@IDX:26378
@OFF:0x8f3e
@SPK:［悠紀］
@JPN:　いいえ！　そんな、疑うなんて……。
@ENG:

@IDX:26381
@OFF:0x8f98
@SPK:[\protag]
@JPN:　ははは、別に気にしてませんよ。それよりミーティングを始めませんか？
@ENG:

@IDX:26383
@OFF:0x9095
@SPK:［悠紀］
@JPN:　あ、そうですね。では、更衣室で……。
@ENG:

@IDX:26384
@OFF:0x9198
@SPK:
@JPN:　御堂さんに続いて更衣室に入ると、後ろ手にドアを　閉めた。
@ENG:

@IDX:26385
@OFF:0x91e0
@SPK:
@JPN:　バタンという音が、狭い更衣室に大きく響く。
@ENG:

@IDX:26386
@OFF:0x9228
@SPK:
@JPN:　……考えてみれば、この状況はかなり危険なのでは　ないか？
@ENG:

@IDX:26387
@OFF:0x9270
@SPK:
@JPN:　ここは更衣室だから、ドアは当然鍵がかかる。
@ENG:

@IDX:26388
@OFF:0x92aa
@SPK:
@JPN:　こんな狭い部屋で若い女性が男と二人きり……。
@ENG:

@IDX:26389
@OFF:0x92e6
@SPK:
@JPN:　音が廊下に筒抜けとは言え、何かの拍子で間違いが　起きても不思議ではない。
@ENG:

@IDX:26392
@OFF:0x93e0
@SPK:[\protag]
@JPN:　あの、御堂さん。
@ENG:

@IDX:26394
@OFF:0x9435
@SPK:［悠紀］
@JPN:　はい？　どうかしましたか？
@ENG:

@IDX:26397
@OFF:0x9487
@SPK:[\protag]
@JPN:　一つ提案があるんですけど。
@ENG:

@IDX:26399
@OFF:0x955c
@SPK:［悠紀］
@JPN:　提案……ですか？
@ENG:

@IDX:26402
@OFF:0x95a4
@SPK:[\protag]
@JPN:　ええ……これからミーティングは廊下でやりませんか？
@ENG:

@IDX:26404
@OFF:0x961b
@SPK:［悠紀］
@JPN:　廊下で……ですか？　それは最初に申し上げたと思うんですけど……。
@ENG:

@IDX:26407
@OFF:0x9693
@SPK:[\protag]
@JPN:　ええ、僕が仕事着でいるところをあんまり人に見られない方がいいってことですよね。
@ENG:

@IDX:26409
@OFF:0x979c
@SPK:［悠紀］
@JPN:　そうです。地下とは言え誰が来るか分かりませんから。
@ENG:

@IDX:26412
@OFF:0x9806
@SPK:[\protag]
@JPN:　じゃあ、僕が私服ならいいんじゃないですか？
@ENG:

@IDX:26414
@OFF:0x9875
@SPK:［悠紀］
@JPN:　それでも人目はできるだけ避けた方が……。
@ENG:

@IDX:26417
@OFF:0x98d5
@SPK:[\protag]
@JPN:　そうですか……分かりました。
@ENG:

@IDX:26419
@OFF:0x9936
@SPK:［悠紀］
@JPN:　でも、どうして急にそんなことを？
@ENG:

@IDX:26422
@OFF:0x998e
@SPK:[\protag]
@JPN:　あの、誤解しないで聞いて欲しいんですけど……ここって、割と危険だと思うんですよ。
@ENG:

@IDX:26424
@OFF:0x9a99
@SPK:［悠紀］
@JPN:　危険？　この更衣室がですか？
@ENG:

@IDX:26427
@OFF:0x9aed
@SPK:[\protag]
@JPN:　ええ、僕も一応男ですし、あんまり二人きりになったりはしない方がいいんじゃないかなって……。
@ENG:

@IDX:26429
@OFF:0x9b8c
@SPK:［悠紀］
@JPN:　それはつまり、間違いが起きるかもしれないってことですか？
@ENG:

@IDX:26432
@OFF:0x9bfc
@SPK:[\protag]
@JPN:　え、ええ。まあ……。
@ENG:

@IDX:26434
@OFF:0x9ccb
@SPK:［悠紀］
@JPN:　クスッ、そんな心配しなくても大丈夫ですよ。
@ENG:

@IDX:26437
@OFF:0x9d2d
@SPK:[\protag]
@JPN:　え？　どうしてですか？
@ENG:

@IDX:26439
@OFF:0x9d88
@SPK:［悠紀］
@JPN:　信用してますから。
@ENG:

@IDX:26442
@OFF:0x9dd2
@SPK:[\protag]
@JPN:　信用……ですか？
@ENG:

@IDX:26444
@OFF:0x9e27
@SPK:［悠紀］
@JPN:　ええ。あなたはそんなことするような人じゃありません。
@ENG:

@IDX:26447
@OFF:0x9e93
@SPK:[\protag]
@JPN:　…………。
@ENG:

@IDX:26449
@OFF:0x9f58
@SPK:［悠紀］
@JPN:　あら？　どうかしましたか？
@ENG:

@IDX:26452
@OFF:0x9faa
@SPK:[\protag]
@JPN:　信用されてるのは嬉しいんですけど……。
@ENG:

@IDX:26454
@OFF:0xa015
@SPK:［悠紀］
@JPN:　けど？
@ENG:

@IDX:26457
@OFF:0xa053
@SPK:[\protag]
@JPN:　あの……少しショックです。
@ENG:

@IDX:26459
@OFF:0xa0b2
@SPK:［悠紀］
@JPN:　ショック？
@ENG:

@IDX:26462
@OFF:0xa0f4
@SPK:[\protag]
@JPN:　ええ。お前はそういうことをする勇気がないんだろって、侮られてるみたいで……。
@ENG:

@IDX:26464
@OFF:0xa185
@SPK:［悠紀］
@JPN:　あ、いえ、別にそういう意味じゃ……。
@ENG:

@IDX:26467
@OFF:0xa1e1
@SPK:[\protag]
@JPN:　いえ、いいんです。確かに、僕にそんな勇気はないと思いますし……。
@ENG:

@IDX:26469
@OFF:0xa2dc
@SPK:［悠紀］
@JPN:　…………あの。
@ENG:

@IDX:26472
@OFF:0xa322
@SPK:[\protag]
@JPN:　はい？
@ENG:

@IDX:26474
@OFF:0xa36d
@SPK:［悠紀］
@JPN:　もしかして間違いを起こしたいと思ってらっしゃるんですか？
@ENG:

@IDX:26477
@OFF:0xa3dd
@SPK:[\protag]
@JPN:　え？　……そ、そそそ、そんな間違いを起こしたいだなんて、ぼ、僕はただ……！
@ENG:

@IDX:26479
@OFF:0xa4e2
@SPK:［悠紀］
@JPN:　そうですよね。あなたはそんな人じゃありませんよね。
@ENG:

@IDX:26482
@OFF:0xa54c
@SPK:[\protag]
@JPN:　……はあ。
@ENG:

@IDX:26484
@OFF:0xa611
@SPK:［悠紀］
@JPN:　どうしました？　ため息などつかれて。
@ENG:

@IDX:26485
@OFF:0xa669
@SPK:
@JPN:　自分自身かなりニブチンな自覚はあるが、まさか、　それ以上の人物に出会うとは思わなかった。
@ENG:

@IDX:26486
@OFF:0xa6d1
@SPK:
@JPN:　御堂さんには、僕の言っている意味が、全然通じて　いなかったようだ。
@ENG:

@IDX:26487
@OFF:0xa733
@SPK:
@JPN:　そんなことはしないと信用している。
@ENG:

@IDX:26488
@OFF:0xa765
@SPK:
@JPN:　つまり、僕には危険がないと思われている。
@ENG:

@IDX:26489
@OFF:0xa79d
@SPK:
@JPN:　男として見られていないということだ。
@ENG:

@IDX:26490
@OFF:0xa7d1
@SPK:
@JPN:　それがどれだけ男のプライドを傷つけるか、彼女は　まったく分かっていないらしい。
@ENG:

@IDX:26492
@OFF:0xa878
@SPK:［悠紀］
@JPN:　それでは、こちらにサインをお願いします。
@ENG:

@IDX:26495
@OFF:0xa8d8
@SPK:[\protag]
@JPN:　あ、はい。
@ENG:

@IDX:26496
@OFF:0xa918
@SPK:
@JPN:　さっきまでの会話がまったくなかったかのように、　御堂さんはいつも通り作業を進める。
@ENG:

@IDX:26497
@OFF:0xa98a
@SPK:
@JPN:　……分かっていてわざとこういう態度を取っている　のだろうか。
@ENG:

@IDX:26498
@OFF:0xa9d6
@SPK:
@JPN:　僕に気がないということを示すために……。
@ENG:

@IDX:26499
@OFF:0xaa0e
@SPK:
@JPN:　いや、待て。純粋に僕のことを信用してくれている　だけかも……。
@ENG:

@IDX:26500
@OFF:0xaa6a
@SPK:
@JPN:　う～ん、いくら考えても分からない。
@ENG:

@IDX:26501
@OFF:0xaa9c
@SPK:
@JPN:　かなりミステリアスな存在だった御堂さんが、今日　はさらに不思議に感じられる。
@ENG:

@IDX:26502
@OFF:0xaaf8
@SPK:
@JPN:　素っ気ない御堂さん。
@ENG:

@IDX:26503
@OFF:0xab1c
@SPK:
@JPN:　笑顔の御堂さん。
@ENG:

@IDX:26504
@OFF:0xab3c
@SPK:
@JPN:　ニブチンな御堂さん。
@ENG:

@IDX:26505
@OFF:0xab60
@SPK:
@JPN:　……女性って、理解しにくい存在だ……。
@ENG:

@IDX:26507
@OFF:0xabdf
@SPK:［悠紀］
@JPN:　どうかされましたか？　手が止まってますけど……。
@ENG:

@IDX:26510
@OFF:0xac47
@SPK:[\protag]
@JPN:　え？　あ、すみません。考え事しちゃって。
@ENG:

@IDX:26512
@OFF:0xacb4
@SPK:［悠紀］
@JPN:　いいんですよ、ゆっくりでも。焦って、書き損じられるより、ずっといいですから。
@ENG:

@IDX:26515
@OFF:0xad38
@SPK:[\protag]
@JPN:　はあ……。
@ENG:

@IDX:26517
@OFF:0xad87
@SPK:［悠紀］
@JPN:　あの……お習字とか習ってらしたんですか？
@ENG:

@IDX:26520
@OFF:0xade7
@SPK:[\protag]
@JPN:　え？　ええ、小さい頃ですけど。
@ENG:

@IDX:26522
@OFF:0xae4a
@SPK:［悠紀］
@JPN:　あ、やっぱり。
@ENG:

@IDX:26525
@OFF:0xae90
@SPK:[\protag]
@JPN:　どうしたんですか、急に？
@ENG:

@IDX:26527
@OFF:0xaeed
@SPK:［悠紀］
@JPN:　いえ、あなたの字があまりにもお上手なので、そうなのかなって……。
@ENG:

@IDX:26530
@OFF:0xaf65
@SPK:[\protag]
@JPN:　あ、そういうことですか……はい、サイン、終わりました。
@ENG:

@IDX:26532
@OFF:0xafe0
@SPK:［悠紀］
@JPN:　拝見します……何もなかったんですね？
@ENG:

@IDX:26535
@OFF:0xb03c
@SPK:[\protag]
@JPN:　…………。
@ENG:

@IDX:26537
@OFF:0xb08b
@SPK:［悠紀］
@JPN:　どうしました？
@ENG:

@IDX:26538
@OFF:0xb0cd
@SPK:
@JPN:　本当に何もなかったのか？
@ENG:

@IDX:26539
@OFF:0xb0f5
@SPK:
@JPN:　鏑木さんには、目が開いていたくらいは大したこと　じゃないと言われた。
@ENG:

@IDX:26540
@OFF:0xb149
@SPK:
@JPN:　だからこそ、事前のミーティングでは何も知らされ　なかったのだと……。
@ENG:

@IDX:26541
@OFF:0xb1af
@SPK:
@JPN:　だが、僕にとっては充分衝撃的なことだった。
@ENG:

@IDX:26542
@OFF:0xb1e9
@SPK:
@JPN:　報告すべきか否か……。
@ENG:

@IDX:26544
@OFF:0xb258
@SPK:［悠紀］
@JPN:　……あの、何か問題でも？
@ENG:

@IDX:26547
@OFF:0xb2a8
@SPK:[\protag]
@JPN:　……いえ、何でもありません。
@ENG:

@IDX:26549
@OFF:0xb309
@SPK:［悠紀］
@JPN:　じゃあ、何も問題なかったんですね。
@ENG:

@IDX:26552
@OFF:0xb363
@SPK:[\protag]
@JPN:　ええ。何も問題ありませんでした。
@ENG:

@IDX:26554
@OFF:0xb3c8
@SPK:［悠紀］
@JPN:　そうですか、分かりました。では、私はこれで……、お疲れ様でした。
@ENG:

@IDX:26555
@OFF:0xb458
@SPK:
@JPN:　結局、報告書には何も書かなかった。
@ENG:

@IDX:26556
@OFF:0xb48a
@SPK:
@JPN:　傷がついていたわけでもなく、ただ目が開いていた　だけ……。
@ENG:

@IDX:26557
@OFF:0xb4df
@SPK:
@JPN:　鏑木さんの言葉通りなら、報告の必要はない。
@ENG:

@IDX:26558
@OFF:0xb529
@SPK:
@JPN:　その目も仕事中に閉じてしまった。
@ENG:

@IDX:26559
@OFF:0xb559
@SPK:
@JPN:　……今更報告する理由はない。
@ENG:

@IDX:26560
@OFF:0xb597
@SPK:
@JPN:　それに、もう忘れてしまいたい。
@ENG:

@IDX:26561
@OFF:0xb5c5
@SPK:
@JPN:　わざわざ報告して、思い出したくはない……。
@ENG:

@IDX:26562
@OFF:0xb5ff
@SPK:
@JPN:　目のことは、この場限りできれいに忘れよう……。　
@ENG:

@IDX:26563
@OFF:0xb706
@SPK:
@JPN:　頭を拭いていたバスタオルをバッグに戻し、濡れた　前髪を手櫛で掻き上げる。
@ENG:

@IDX:26564
@OFF:0xb75e
@SPK:
@JPN:　すでにシャワーも浴び、着替えも済ませた。
@ENG:

@IDX:26565
@OFF:0xb796
@SPK:
@JPN:　バッグに自分の荷物をしまい、脱ぎ捨てたツナギや　手袋をロッカーに戻す。
@ENG:

@IDX:26568
@OFF:0xb83a
@SPK:[\protag]
@JPN:　……どなたですか？
@ENG:

@IDX:26570
@OFF:0xb891
@SPK:［真魚］
@JPN:　私……真魚だよ。
@ENG:

@IDX:26573
@OFF:0xb8d9
@SPK:[\protag]
@JPN:　真魚？　何しに来たんだ？
@ENG:

@IDX:26575
@OFF:0xb936
@SPK:［真魚］
@JPN:　何しにって……そんなことより、入ってもいい？
@ENG:

@IDX:26578
@OFF:0xb99a
@SPK:[\protag]
@JPN:　ああ、どうぞ。
@ENG:

@IDX:26580
@OFF:0xba85
@SPK:［真魚］
@JPN:　お邪魔しまーす。あっ！　オールバック！！
@ENG:

@IDX:26583
@OFF:0xbae5
@SPK:[\protag]
@JPN:　シャワー浴びたところだからな……で、何の用だ？　わざわざ僕の髪型を見にきたってわけでもないんだろ？
@ENG:

@IDX:26585
@OFF:0xbb8c
@SPK:［真魚］
@JPN:　あ、うん。ちょっと伝言を頼まれて……部屋に電話したら出なかったから、多分ここじゃないかなって。
@ENG:

@IDX:26588
@OFF:0xbc22
@SPK:[\protag]
@JPN:　伝言？　誰から？
@ENG:

@IDX:26590
@OFF:0xbc77
@SPK:［真魚］
@JPN:　きみの仕事の人。今夜、もう１回仕事があるんだって。
@ENG:

@IDX:26593
@OFF:0xbce1
@SPK:[\protag]
@JPN:　……はぁ？
@ENG:

@IDX:26595
@OFF:0xbd30
@SPK:［真魚］
@JPN:　だから、今日はもう１体だってさ。準備し忘れたらしいよ。
@ENG:

@IDX:26598
@OFF:0xbd9e
@SPK:[\protag]
@JPN:　準備し忘れたって……どういうことだよ！　冗談じゃないぞ！
@ENG:

@IDX:26600
@OFF:0xbe91
@SPK:［真魚］
@JPN:　ちょっと、こんな近くで大声出さないでよ！
@ENG:

@IDX:26603
@OFF:0xbef1
@SPK:[\protag]
@JPN:　あ……わ、悪い……。
@ENG:

@IDX:26605
@OFF:0xbfc0
@SPK:［真魚］
@JPN:　まあ、気持ちは分かるけどね。でも、仕事は仕事だよ。
@ENG:

@IDX:26608
@OFF:0xc02a
@SPK:[\protag]
@JPN:　そりゃそうだけど……。
@ENG:

@IDX:26610
@OFF:0xc085
@SPK:［真魚］
@JPN:　ほらほら、暗い顔しないの。夜なら昨夜もやったんでしょ？　夜、朝、夜、朝……丁度半日ずつで分かりやすいじゃん。
@ENG:

@IDX:26613
@OFF:0xc129
@SPK:[\protag]
@JPN:　あのな、そんな簡単に……。
@ENG:

@IDX:26615
@OFF:0xc188
@SPK:［真魚］
@JPN:　だって、落ち込んだって仕事はなくならないんだよ。
@ENG:

@IDX:26616
@OFF:0xc24c
@SPK:
@JPN:だったらもっとポジティブに考えなきゃ……でしょ？
@ENG:

@IDX:26619
@OFF:0xc2b2
@SPK:[\protag]
@JPN:　そう……だな。ありがとう。
@ENG:

@IDX:26621
@OFF:0xc311
@SPK:［真魚］
@JPN:　えへへ……じゃあ私、ナースステーションに戻るね。
@ENG:

@IDX:26624
@OFF:0xc3a3
@SPK:[\protag]
@JPN:　……いや、ちょっと待て！
@ENG:

@IDX:26626
@OFF:0xc46c
@SPK:［真魚］
@JPN:　……何？　何か忘れてた？
@ENG:

@IDX:26629
@OFF:0xc4bc
@SPK:[\protag]
@JPN:　夜の仕事、何時からだ？
@ENG:

@IDX:26631
@OFF:0xc58d
@SPK:［真魚］
@JPN:　あれ？　言わなかったっけ？
@ENG:

@IDX:26634
@OFF:0xc5df
@SPK:[\protag]
@JPN:　ああ、聞いてないよ。
@ENG:

@IDX:26636
@OFF:0xc6ae
@SPK:［真魚］
@JPN:　そうだっけ？　ま、いいか……。確かね、８時くらいからって言ってたよ。その頃になったら、連絡が行くんじゃない？
@ENG:

@IDX:26639
@OFF:0xc752
@SPK:[\protag]
@JPN:　昨夜と同じくらいか……分かった。引き留めて悪かったな。
@ENG:

@IDX:26641
@OFF:0xc843
@SPK:［真魚］
@JPN:　ううん、いいよ。じゃ、今度こそ戻るから。
@ENG:

@IDX:26642
@OFF:0xc8bb
@SPK:
@JPN:　遠ざかりゆく真魚の足音を聞きながら、ひっそりと　ため息をつく。
@ENG:

@IDX:26643
@OFF:0xc909
@SPK:
@JPN:　昨夜は夜だけだったのに、今度は朝と夜……。
@ENG:

@IDX:26644
@OFF:0xc943
@SPK:
@JPN:　このままだと一日に３回洗わされる日も、そう遠く　ないかもしれない。
@ENG:

@IDX:26645
@OFF:0xc9a7
@SPK:
@JPN:　仕事は仕事……。
@ENG:

@IDX:26646
@OFF:0xc9c7
@SPK:
@JPN:　もっとポジティブに考える……。
@ENG:

@IDX:26647
@OFF:0xc9f5
@SPK:
@JPN:　そんなことを言える真魚が、羨ましく思える。
@ENG:

@IDX:26648
@OFF:0xca41
@SPK:
@JPN:　仕事は仕事……。
@ENG:

@IDX:26649
@OFF:0xca61
@SPK:
@JPN:　もっとポジティブに考える……。
@ENG:

@IDX:26650
@OFF:0xcaa3
@SPK:
@JPN:　もっとポジティブに……。
@ENG:

@IDX:26651
@OFF:0xcadf
@SPK:
@JPN:　ポジティブに……。
@ENG:

@IDX:26652
@OFF:0xcb3d
@SPK:
@JPN:　　　　　　　考えられるか！！！
@ENG:

@IDX:26653
@OFF:0xcb87
@SPK:
@JPN:　……残念ながら、僕にはポジティブ思考は不可能な　ようだ。
@ENG:

@IDX:26654
@OFF:0xcbcf
@SPK:
@JPN:　腹立ち紛れに、ロッカーをぶん殴ってしまった。
@ENG:

@IDX:26655
@OFF:0xcc0b
@SPK:
@JPN:　キレる浪人生……。
@ENG:

@IDX:26656
@OFF:0xcc2d
@SPK:
@JPN:　そんなフレーズが頭に浮かび、何とも情けない気分　になる。
@ENG:

@IDX:26657
@OFF:0xcc85
@SPK:
@JPN:　ただ、少しスッと胸が晴れたのも事実だ。
@ENG:

@IDX:26658
@OFF:0xccbb
@SPK:
@JPN:　これからは、嫌なことがあったらここのロッカーの　お世話になろうか……。
@ENG:

@IDX:26659
@OFF:0xcd11
@SPK:
@JPN:　そんなネガティブな案を真剣に考えてしまった。
@ENG:

@IDX:26660
@OFF:0xcd5b
@SPK:
@JPN:　いや……やっぱりやめておこう。
@ENG:

@IDX:26661
@OFF:0xcd89
@SPK:
@JPN:　その方が身のためだ。
@ENG:

@IDX:26662
@OFF:0xcdad
@SPK:
@JPN:　文字通りの意味で。
@ENG:

@IDX:26663
@OFF:0xcdcf
@SPK:
@JPN:　痺れる拳に目をやれば、蝶番にでもぶつけたのか、　パックリと切り傷ができていた。
@ENG:

@IDX:26664
@OFF:0xce2d
@SPK:
@JPN:　出血はそれほどでもないのだが、正直かなり痛い。　
@ENG:

@IDX:26665
@OFF:0xce7b
@SPK:
@JPN:　見れば、被害者たるロッカーは、毛ほども傷ついて　いない。
@ENG:

@IDX:26666
@OFF:0xcec3
@SPK:
@JPN:　その様子が、どこか僕をせせら笑っているようで、　もういっぺん殴ってやろうかという気にさせる。
@ENG:

@IDX:26667
@OFF:0xcf2f
@SPK:
@JPN:　だが、ジンジンと骨まで響く痛みが、僕の愚かさを　戒めた。
@ENG:

@IDX:26668
@OFF:0xcf87
@SPK:
@JPN:　……部屋に戻ろう。
@ENG:

@IDX:26669
@OFF:0xcfa9
@SPK:
@JPN:　夜の８時までは、あと１０時間。
@ENG:

@IDX:26670
@OFF:0xcfd7
@SPK:
@JPN:　休憩には充分な時間だとは思うが、できるだけ長く　休みたい。
@ENG:

@IDX:26671
@OFF:0xd021
@SPK:
@JPN:　少しでも長く、できるだけ長く……。
@ENG:

@IDX:26672
@OFF:0xd122
@SPK:
@JPN:　明るく、清潔感のあるロビー。
@ENG:

@IDX:26673
@OFF:0xd14e
@SPK:
@JPN:　すでに人混みはピークに達し、ここが病院だという　ことを忘れそうなほどに騒がしくなっている。
@ENG:

@IDX:26676
@OFF:0xd1f4
@SPK:[\protag]
@JPN:　あ、御堂さん。
@ENG:

@IDX:26678
@OFF:0xd2b3
@SPK:［悠紀］
@JPN:　あら？　まだ部屋に戻られてなかったんですか？
@ENG:

@IDX:26681
@OFF:0xd317
@SPK:[\protag]
@JPN:　ええ、まあ……御堂さんは仕事中ですか？
@ENG:

@IDX:26683
@OFF:0xd382
@SPK:［悠紀］
@JPN:　ええ。カルテを先生に届けるところです。
@ENG:

@IDX:26686
@OFF:0xd3e0
@SPK:[\protag]
@JPN:　そうですか……。
@ENG:

@IDX:26688
@OFF:0xd4ab
@SPK:［悠紀］
@JPN:　あの……大丈夫ですか？
@ENG:

@IDX:26691
@OFF:0xd4f9
@SPK:[\protag]
@JPN:　え？　大丈夫って……何がですか？
@ENG:

@IDX:26693
@OFF:0xd55e
@SPK:［悠紀］
@JPN:　いえ……何だかつらそうに見えたので……。
@ENG:

@IDX:26696
@OFF:0xd5be
@SPK:[\protag]
@JPN:　つらそうに？　……そんな風に見えましたか？
@ENG:

@IDX:26698
@OFF:0xd62d
@SPK:［悠紀］
@JPN:　はい。ひょっとして……あの後、何かあったんですか？
@ENG:

@IDX:26699
@OFF:0xd693
@SPK:
@JPN:　……鋭い。
@ENG:

@IDX:26700
@OFF:0xd6ad
@SPK:
@JPN:　御堂さんの言う通り、彼女が出て行った後に真魚が　来て、夜も仕事があると言われた。
@ENG:

@IDX:26701
@OFF:0xd70d
@SPK:
@JPN:　つらそうに見えたのは、多分そのせいだろう。
@ENG:

@IDX:26702
@OFF:0xd75b
@SPK:
@JPN:夜も仕事があるからだと言う
@ENG:

@IDX:26703
@OFF:0xd77c
@SPK:
@JPN:余計な心配はかけたくない
@ENG:

@IDX:26705
@OFF:0xd888
@SPK:［悠紀］
@JPN:　……言えないこと……なんですか？
@ENG:

@IDX:26708
@OFF:0xd8e0
@SPK:[\protag]
@JPN:　いえ、そんなことはないですよ。ほら、今日も夜に仕事があるから……実は、それがちょっと嫌だなって……。
@ENG:

@IDX:26710
@OFF:0xda03
@SPK:［悠紀］
@JPN:　え？　今夜……ですか？　誰から聞いたんですか？
@ENG:

@IDX:26713
@OFF:0xda69
@SPK:[\protag]
@JPN:　え？　さっき真魚が更衣室に言いに来ましたけど……御堂さんは知らなかったんですか？
@ENG:

@IDX:26715
@OFF:0xdb74
@SPK:［悠紀］
@JPN:　ええ……でも、なんで真魚ちゃんが……。
@ENG:

@IDX:26718
@OFF:0xdbd2
@SPK:[\protag]
@JPN:　職員に伝言を頼まれたとか言ってましたよ？　御堂さんが席を外してる時に連絡があったんじゃないですか？
@ENG:

@IDX:26720
@OFF:0xdcef
@SPK:［悠紀］
@JPN:　……そうかもしれませんね。これが終わったら聞いてみます。
@ENG:

@IDX:26721
@OFF:0xdd5b
@SPK:
@JPN:　……御堂さんが知らないとは思っていなかった。
@ENG:

@IDX:26722
@OFF:0xdd97
@SPK:
@JPN:　そういう情報は、真っ先に彼女に伝えられるものだ　と思っていたが……。
@ENG:

@IDX:26723
@OFF:0xddeb
@SPK:
@JPN:　担当と言っても、結構アバウトなのかもしれない。　
@ENG:

@IDX:26726
@OFF:0xde67
@SPK:[\protag]
@JPN:　……じゃあ、僕は部屋に戻ります。
@ENG:

@IDX:26727
@OFF:0xdec0
@SPK:
@JPN:　夜もやらされるのが嫌だなどと言えば、御堂さんの　ことだから責任を感じてしまうだろう。
@ENG:

@IDX:26728
@OFF:0xdf24
@SPK:
@JPN:　余計なことで気を遣われるのも嫌だし、心配された　ところで仕事がなくなるわけでもない。
@ENG:

@IDX:26730
@OFF:0xe045
@SPK:［悠紀］
@JPN:　言えないこと……なんですか？
@ENG:

@IDX:26733
@OFF:0xe0aa
@SPK:[\protag]
@JPN:　いえ、そんなことはないですよ。ちょっと疲れたなって、それだけですから。
@ENG:

@IDX:26735
@OFF:0xe1ab
@SPK:［悠紀］
@JPN:　疲れたって……大丈夫なんですか？　確か２時間しか寝ていないって仰ってましたよね。
@ENG:

@IDX:26738
@OFF:0xe233
@SPK:[\protag]
@JPN:　あ、まあ、それもありますけど……。
@ENG:

@IDX:26740
@OFF:0xe29a
@SPK:［悠紀］
@JPN:　もしかして……慣れないお仕事のせいで不眠症になったんじゃ……。
@ENG:

@IDX:26743
@OFF:0xe310
@SPK:[\protag]
@JPN:　い、いや、そこまでは……。
@ENG:

@IDX:26745
@OFF:0xe36f
@SPK:［悠紀］
@JPN:　不眠症を甘く見ないほうがいいですよ。早いうちにきちんとしておかないと大変なことになるんですから。
@ENG:

@IDX:26748
@OFF:0xe407
@SPK:[\protag]
@JPN:　は、はあ……。
@ENG:

@IDX:26750
@OFF:0xe4d0
@SPK:［悠紀］
@JPN:　そうだ、ちょうど今から精神科の先生のところに行くんです。一度診ていただいた方が……。
@ENG:

@IDX:26753
@OFF:0xe55c
@SPK:[\protag]
@JPN:　だ、大丈夫ですよ、そこまでしなくても……。
@ENG:

@IDX:26755
@OFF:0xe641
@SPK:［悠紀］
@JPN:　ですが……。
@ENG:

@IDX:26756
@OFF:0xe681
@SPK:
@JPN:　……薮蛇だった。
@ENG:

@IDX:26757
@OFF:0xe6a1
@SPK:
@JPN:　気を遣わせまいと、当たり障りのない理由を話した　つもりが、かえって混乱を招いてしまった。
@ENG:

@IDX:26758
@OFF:0xe709
@SPK:
@JPN:　こんなことならば、あくまでとぼけ通すべきだった　かもしれない。
@ENG:

@IDX:26761
@OFF:0xe78a
@SPK:[\protag]
@JPN:　いえ、そんなことはないですよ。ちょっと疲れたなって、それだけですから。
@ENG:

@IDX:26763
@OFF:0xe815
@SPK:［悠紀］
@JPN:　……ごめんなさい……。
@ENG:

@IDX:26766
@OFF:0xe863
@SPK:[\protag]
@JPN:　え？　なんで謝るんですか？
@ENG:

@IDX:26768
@OFF:0xe8c2
@SPK:［悠紀］
@JPN:　その疲れ、あまり休めなかったからですよね？　仕事の時間が遅かったから……。
@ENG:

@IDX:26771
@OFF:0xe944
@SPK:[\protag]
@JPN:　それは、御堂さんのせいじゃないです。僕が軟弱だから……。
@ENG:

@IDX:26773
@OFF:0xe9c1
@SPK:［悠紀］
@JPN:　ですが……。
@ENG:

@IDX:26774
@OFF:0xea01
@SPK:
@JPN:　……逆効果だった。
@ENG:

@IDX:26775
@OFF:0xea23
@SPK:
@JPN:　気を遣わせまいとして当たり障りない理由を話し、　かえって心配させてしまった。
@ENG:

@IDX:26776
@OFF:0xea7f
@SPK:
@JPN:　こんなことならば、あくまでとぼけ通すべきだった　かもしれない。
@ENG:

@IDX:26779
@OFF:0xeb09
@SPK:[\protag]
@JPN:　……やめましょうよ。こんなところで言い合いしても、患者に不審がられるだけですから。
@ENG:

@IDX:26781
@OFF:0xec1a
@SPK:［悠紀］
@JPN:　あ……そ、そうですね。私、気づきませんでした。
@ENG:

@IDX:26784
@OFF:0xec80
@SPK:[\protag]
@JPN:　でしょ？　それに暗い顔を見せられるより、明るい顔を見せてもらった方が元気になれます。
@ENG:

@IDX:26786
@OFF:0xed8f
@SPK:［悠紀］
@JPN:　そうですね……暗い顔より明るい顔のほうがいいですよね。
@ENG:

@IDX:26789
@OFF:0xedfd
@SPK:[\protag]
@JPN:　ええ。できれば、笑顔を見せてもらいたいですね。
@ENG:

@IDX:26791
@OFF:0xee70
@SPK:［悠紀］
@JPN:　クスッ、ずいぶんお上手なんですね。
@ENG:

@IDX:26794
@OFF:0xeeca
@SPK:[\protag]
@JPN:　じゃ、僕はこれで……。
@ENG:

@IDX:26796
@OFF:0xefa5
@SPK:［悠紀］
@JPN:　あ、待って……どうしたんですか？　その手……。
@ENG:

@IDX:26797
@OFF:0xf005
@SPK:
@JPN:　……目敏い。
@ENG:

@IDX:26798
@OFF:0xf021
@SPK:
@JPN:　隠す間もなく御堂さんに見つかってしまった。
@ENG:

@IDX:26799
@OFF:0xf05b
@SPK:
@JPN:　さすがに恥ずかしくて、『ロッカーに反撃された』　などとは言えない。
@ENG:

@IDX:26800
@OFF:0xf0ad
@SPK:
@JPN:　僕でもそのくらいのプライドはある。
@ENG:

@IDX:26801
@OFF:0xf0df
@SPK:
@JPN:　ちんけなプライドではあるが……。
@ENG:

@IDX:26804
@OFF:0xf14b
@SPK:[\protag]
@JPN:　いや、その……なんでもありません。
@ENG:

@IDX:26806
@OFF:0xf228
@SPK:［悠紀］
@JPN:　『なんでもない』って……ちょっと見せてください。
@ENG:

@IDX:26809
@OFF:0xf290
@SPK:[\protag]
@JPN:　あ、だ、大丈夫ですから！　それより御堂さん。カルテ、届けないでいいんですか？　大事なものなんでしょう？
@ENG:

@IDX:26811
@OFF:0xf3b1
@SPK:［悠紀］
@JPN:　あ、そうでした！　でも、その傷……。
@ENG:

@IDX:26814
@OFF:0xf40d
@SPK:[\protag]
@JPN:　大丈夫です！　単なる、ちょっとした、何でもないかすり傷ですから！　それよりカルテを……。
@ENG:

@IDX:26816
@OFF:0xf4aa
@SPK:［悠紀］
@JPN:　あなたがそう言うのなら……。
@ENG:

@IDX:26817
@OFF:0xf55a
@SPK:
@JPN:でも酷いようだったら遠慮せず言ってくださいね。簡単な治療でしたら私、できますから……。
@ENG:

@IDX:26820
@OFF:0xf5e6
@SPK:[\protag]
@JPN:　は、はい、ありがとうございます。その時はお願いします。
@ENG:

@IDX:26822
@OFF:0xf6d7
@SPK:［悠紀］
@JPN:　では、私はこれで……。
@ENG:

@IDX:26823
@OFF:0xf72b
@SPK:
@JPN:　僕の方を……僕の手の傷をチラチラと振り返りつつ　御堂さんは階段を上がっていった。
@ENG:

@IDX:26824
@OFF:0xf78b
@SPK:
@JPN:　……治療の申し出は嬉しいのだが、如何せん、僕の　持っている虚栄心が折り合いをつけてくれない。
@ENG:

@IDX:26825
@OFF:0xf7f7
@SPK:
@JPN:　まあ、この痛みにどうしても耐えられなくなったら　御堂さんの厚意にすがるとしよう。
@ENG:

@IDX:26826
@OFF:0xf857
@SPK:
@JPN:　もっともこの程度の傷だったら、絆創膏でも貼って　おけば、そのうち治るだろうが……。
@ENG:

@IDX:26828
@OFF:0xf90e
@SPK:［女の声］
@JPN:　……行っちまったねぇ？
@ENG:

@IDX:26832
@OFF:0xf9ee
@SPK:[\protag]
@JPN:　……お、脅かさないでくださいよ……。
@ENG:

@IDX:26834
@OFF:0xfa59
@SPK:［志津江］
@JPN:　そんなに驚かなくてもいいじゃないか？　ははあ……兄さんはあの子みたいなのがタイプなんだねえ。
@ENG:

@IDX:26837
@OFF:0xfaed
@SPK:[\protag]
@JPN:　なっ……タイプって……。
@ENG:

@IDX:26839
@OFF:0xfb4c
@SPK:［志津江］
@JPN:　照れない、照れない。まあ、よく働くし器量もいいからねぇ。兄さん、あんたいい趣味してるじゃないか。
@ENG:

@IDX:26842
@OFF:0xfbe4
@SPK:[\protag]
@JPN:　だから、そんなんじゃないんですって。御堂さんとは、仕事のつき合いですよ。
@ENG:

@IDX:26844
@OFF:0xfce9
@SPK:［志津江］
@JPN:　そうかい？　その割には、違う看護婦と話してるところは見ないねぇ？
@ENG:

@IDX:26847
@OFF:0xfd61
@SPK:[\protag]
@JPN:　そうでもないですよ？　真……佐伯さんともよく話してます。
@ENG:

@IDX:26849
@OFF:0xfe56
@SPK:［志津江］
@JPN:　ほほう！？　兄さんも目のつけ所が違うねぇ？　あの子はいい嫁さんになるよ？　昼も夜もよく働きそうさね。一緒に暮らすには最高だろうね。
@ENG:

@IDX:26852
@OFF:0xff10
@SPK:[\protag]
@JPN:　だから、そういうんじゃないんですってば……。
@ENG:

@IDX:26854
@OFF:0xff83
@SPK:［志津江］
@JPN:　隠しなさんなって。じゃあ、あたしはこれで行くよ。
@ENG:

@IDX:26857
@OFF:0xffeb
@SPK:[\protag]
@JPN:　そうですか？　ふぅ……。
@ENG:

@IDX:26859
@OFF:0x1004a
@SPK:［志津江］
@JPN:　なに安心してんだい？　今度会った時には、もっと詳しく聞かせてもらうからね？
@ENG:

@IDX:26862
@OFF:0x100e0
@SPK:[\protag]
@JPN:　詳しくって……ちょ、ちょっと！
@ENG:

@IDX:26863
@OFF:0x10132
@SPK:
@JPN:　本当に、そんな関係ではないのに……。
@ENG:

@IDX:26864
@OFF:0x10166
@SPK:
@JPN:　御堂さんとは仕事上のつき合いだけだし、真魚とは　ちょっと仲がいいだけ……。
@ENG:

@IDX:26865
@OFF:0x101c0
@SPK:
@JPN:　特に真魚は、誰とでも仲良くなると思う。
@ENG:

@IDX:26866
@OFF:0x1020c
@SPK:
@JPN:　……そろそろ部屋に戻ろう。
@ENG:

@IDX:26867
@OFF:0x10236
@SPK:
@JPN:　貴重な休み時間をこんな場所で潰すのは、勿体ない　気がする。
@ENG:

@IDX:26868
@OFF:0x10280
@SPK:
@JPN:　昨日とは違い、今日はすでに働いたのだから……。　
@ENG:

